ここ1,2年の星野源・cero辺りで完全に火がついたのでしょうか。あるいはそもそもジャミロと椎名林檎を聴いて育った世代なのでしょうか。近頃バカ売れしているバンド、Suchmos、Yogee New Waves、LUCKY TAPES…といった若手達は多分にブラック・ミュージック嗜好です。ブラックと一言に言うと語弊しか無いのですが、少なくとも、鍵盤とギターの音作りとか、ベースが中心にいる感じとか、そういうことです。
とにかく嬉しい傾向です。最高だ。いや、ラッキーテープス、おめーはダメだけどな。あの優しそうな感じとかオシャレでしょ感が鼻につくけどな。泥酔させて全裸にして不忍池に放り込んだ後、晴れて親友になりたいバンドランキング1位。でも格好いい…。悔しい…。
BLU-SWING
そして敢えて取り上げたいのはこのユニット。上述の彼らよりはちょっと年上のBLU-SWINGです。
このコテコテ感。真っ直ぐな女性ボーカル、ホーン隊の、なんというか、やり過ぎな感じ、ベースのスラップ、なによりいわゆる「卑怯ドラム」。なんだかニヤニヤしてしまいます。一方で電子音をウワモノとして使って現代感もマシマシで。
イマイチ火が付ききらないブルースウィング界隈。JazztronikとかParis MatchとかOrange Pekoeと共食いしてしまった感じもある。しかも、いまやクラブジャズはダサいという言葉と共に語られがち。でもそこが良いんじゃないか。「ジャズもどき」における日本人らしさとはダサさなのだ。
CICADA
一方CICADA。クラブジャズとはまた違う波が来ていることがわかります。
この曲を聴いた瞬間にtofubeatsを思い出さずにはいられませんでした。CICADAとtofubeatsはほぼ同期くらいでしょうか?
うまく言語化出来ませんが、結局のところ日本の若手は三次的なのかもしれません。海外でのディスコ文化があって、アシッドジャズがあって、それを日本の先人たちはアレンジしてJ-POPにしてきた。そして、YouTube時代が到来して、若者は何もかもをごちゃまぜに聴くようになった。結果として生まれるのがCICADAを含む(勿論tofubeatsも含む)テン年代ミュージシャンたちである、という考えです。
流用と洗練こそが日本人の強みであると信じた高度経済成長期の日本。それはあるいは真実なのかもしれません。
こういう曲とか、書きたいメロディーは如何にも和風です。ハモリ、ここぞというときの4分音符。でも、ドラムは明らかにジャズザニューチャプター以降。マークジュリアナ好きだろうな。気が合いそうだな。
クラブジャズと「最近の若手バンド」 を分けるのは、結局のところSNSだとか、YouTubeだとか、ネットメディアの普及具合かもしれません。クラブジャズの時は、その界隈だけでどんどん音が発展していってあの形態が生まれた、という気がします。(とはいえ、つーかクラブジャズってなんだ?という問いは難しくてすぐには答えられません。)
という記事をダラダラ書いていたら、なんとCICADAは某大学の文化祭に来るらしい。すげー!何としても見に行きたい。ライブで聴いたら凄いんだろうなあ。Suchmosにあんなライブを見せられたので期待も否応なしに上がるというワケです。
そういえばSuchmosライブの記事結局書いてない…。