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二輪と深夜とロックンロール

ジャズとロックとバイクと喫茶店とそれらが出てくる本が好きです。元『東京文系大学生』。

刃牙道は面白いぞ。頑張って褒めてみよう。

刃牙

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本当は、真木悠介『気流の鳴る音』(筑摩書房, 1977)について大学で発表した時のこと(『自己完結的世界および自己からの解放(世界を止める):①言語性 ②身体性 ③行動 ④生き方』の見直し)をブログにまとめなおそうとしたのですが、自分の未熟さに苛々したので久しぶりのバキ記事でお茶を濁したいと思います。文章を日常的に書いている方、バキは脳を一切活性化させずに書けるのでおすすめです。ちなみに今はSOUL'd OUTを聴いています。

 

刃牙道の評価

バキはいつの時代も叩かれているが、言うまでもなく刃牙道も叩かれている。曰く、「迷走している」「ストーリーの引き延ばしが酷い」「勇次郎vs武蔵の決着を濁した」「ワンパターンである」「ジャックが弱い」など。「ジャックが弱い」については僕の個人的意見である。

確かに、バキは迷走するし引き延ばすし勇次郎を保護するしワンパターンだ。特に範馬刃牙時代は見るに堪えない。アライジュニアはライバルキャラのように登場したのに、渋川・独歩に復讐されたテンションを引きずって瞬殺される。オリバは刃牙にただ殴り負ける。親子喧嘩までが長い。烈・克己・ジャックはピクルに何も出来なかったのに、刃牙は普通に戦える。「目撃者はのちに語る」以外の演出が出てこない。最後まで勇次郎が強すぎてラストバトルが味噌汁で終わる。

こんな酷い話を見せられたのだから、ファンの見る目が厳しくなるのは致し方無い。刃牙道でも、序盤のアクビ云々は意味不明だったし、烈は情けないし、「刀」の扱いがブレてはいる。しかし、それでもなお、上記の刃牙道評価はこの時代のイメージに引っ張られすぎていないか。

 

刃牙道をよく読め。

まず、板垣センセは刃牙道にあたっていくつか心を入れ替えたことが伺える。それは、①過去キャラの見直し②漫画のインフレ防止③レギュラーキャラの保護撤廃である。

①については、現在本部が異常に強くなっていることで明らかだろう。ガイアを再利用したり、独歩は空手家としての初心に戻っている感もある。便利な医者キャラと化していた紅葉も前線に復帰しそうな雰囲気を出していた。つまり、グラップラー時代のキャラクターを再構築しているのだ(だがジャックは死んだ)。

②バキシリーズはBAKI~範馬刃牙で無限のインフレを通過した。完全にドラゴンボールやハンターハンターの世界に突入していたのだ。しかし刃牙道では人間離れした描写は抑えられている。「凄い格闘家」の域を逸脱しないよう苦心している様子が分かる。渋川や独歩はそれぞれ柔と空手のシンプルな強さに戻った。まあ弱くなったということだが。

③これは皆様見落としすぎな重要ポイントである。刃牙は武蔵にも本部にも負ける。烈は死ぬ。勇次郎vs武蔵についても、二人は互角であるという描写に留まった。金的で武蔵が悶絶したシーンばかりが取り上げられるが、その後普通に立ち上がって奥義を繰り出したではないか。これまでのシリーズで勇次郎が圧倒的最強であったことを考えれば偉大な一歩である。インフレを象徴するピクルも惜しげも無く登場させ、現在武蔵といい勝負をしている。誰かが保護されているとすれば、今シリーズでは武蔵と勇次郎と本部だが、各々完璧ではない。不覚を取りまくっている。結構バランス取れてんじゃんか。それにしたってジャックが弱すぎるが。

 

刃牙道に期待しよう。

つまるところ僕が言いたいのは、刃牙道は範馬刃牙時代に比べればだいぶマシだ、ということだ。おおまかな今後の流れとしてはおそらく、ピクルvs武蔵終了(あるいは中断)⇨本部vs武蔵⇨過去キャラたちの細々とした活躍⇨刃牙vs武蔵だろう。いいじゃん。こんなもんだろ。そもそもバキのアラ探しするなよ。

一番怖いのは、モハメド・アリの死去に伴って板垣センセの気が変わり、武蔵を適当に処理してアライジュニア編再び、という流れである。いや、アライジュニアは好きなのでむしろ嬉しいのだが、武蔵編はそれなりにまとめてからやってください。あとジャックを救済してください。