はじめに断っておきたいのは、伊坂幸太郎が苦手なのではなく伊坂幸太郎的なモノが苦手なのだということだ。
本も漫画も音楽も映画も、伊坂幸太郎的なものが苦手。決して伊坂幸太郎的なものをdisりたいのではない。不思議だなァなんで苦手なんだろうなァと考えてみるだけです。
ちなみに主観のみの記事です。
「キャラ」が売りである
ツラい。格好良い登場人物が多いのは無論いいことなんだけれど、あくまで人物であってほしい。いや動物や宇宙人でもいいんだけど、とにかく作品内に存在してほしい。
「キャラ」とは「キャラクター」と微妙に違う概念であって、のび太君だとか仮面ライダーだとか、「アドレナリン」のジェイソン・ステイサムとか、いい意味でも悪い意味でもキャラクターを超えているものという捉え方だ。まあ上記は極端な例だが。
いいか。当たり前のことを言っておくが、格好良い登場人物とはタクシードライバーのデニーロのことだぞ。みんな分かってるよな。
ちなみに音楽について言うならば、「キャラ」は大歓迎。実力さえあるならば、好きなだけペルソナを纏ってくれ。
伏線が売りである
これもキツい。仕掛けが多いと楽しめるというのは間違いないけれど、日本人は伏線を崇めすぎだろ。別に凄くねーからな。アルツハイマーじゃない限りプロなら出来るわ。
そもそも、ナンセンスこそ最高である。ストーリーなんて程々でいいんだ。それより空気を作り込んでくれ。その点、やっぱりタランティーノは良いよね。あとファンク音楽とか。
作品間のリンクなどの小ネタが豊富
タランティーノを褒めておいてこれを言っちゃあお終いという感じもあるが、でもこれも要らんやろ。CLAMPは許す。あと、アメコミ映画についてはもう別枠なので。男の子なので。
面白いだろ感
結局これかなあ。「エンタメ」と自己を規定しつつ、エンタメ以上だと評論してくれ感が苦手。気取った(最高の褒め言葉です)文章とエンタメ的なトリックって、なんかミスマッチじゃないかなあ。
これはつまり音作りや楽器の構成はオーセンティックなのに、「サビ」があって、転調して、ストリングスとコーラス盛りまくり。みたいな悲惨なパターンと同じではないのか。
とここまで書いてきたのだが、そういえば僕はスカイ・クロラ大好きだった。あと上の文章だけで矛盾が凄い。
なんなら「アドレナリン」も好きだわ。だって、アドレナリンを出し続けないと死ぬからずっと興奮してよう!バキューンバキューン!っていう脚本早々思いつかないでしょ。最高かよ。
結局伊坂幸太郎的なモノは苦手じゃないのかもしれない。いや、ウーン、
エンタメは格好つけないでくれ。作品として何か残したいなら媚びないでくれ。この2つかなあ。