深夜ファミレス記録

もう深夜にファミレスにも行かなくなってしまったけど、上野か新宿で夜中まで飲んだあとに勢いで書く日記。

山本文緒『恋愛中毒』感想

恋愛中毒、今更だけどちゃんと読みました。

1998年初出で、山本さんがプラナリアで直木賞を取る直前の作品です。

 

内容については、文庫版巻末の林真理子の解説がすばらしくて、ぜんぶそこに書いてあります。わざわざ僕が書く必要も無いんですけど、とにかくコレはもうミステリ小説の域っすね!凄かった。

 

やっぱ文章って、いま流行りの小手先の言葉選びはあくまでウワモノで、「何を書くか(テーマ)」「どの順番で書くか(構成)」+、創作物の場合「なにを使って表現するか(モチーフ)」、の骨組みで決まると思う。そんでこの小説は、いわゆる信頼できない語り手であることに気づかされるハラハラもあり、語られる内容そのものもヤバく、主人公が…アレ?という混乱もあり、とにかくお見事だった…。ちょっと、自信無くすくらいだワ

 

あえてブログにするんで自分に絡めて考えると、僕は、今まで悩んだことが無いんすね。落ち込むこととかへこむことはそりゃあ生きてればすんげえ~あるんだけど、悩んだことは無いとおもう(たぶん)。なぜかというとおそらく、自分を肯定しているから…すんませんね…。でもほんとに、他人がどうしてても俺は俺だからネってマジで思えちゃう。恥ずかしながら…。

 

それでこの主人公は、悩んでるっちゃあ悩んでる(フジタニくんとの過去)んだけど、自分に対する反省がね、まったくない。反省しない人は無敵ですよ。ストレスって他者に与えられるような構図で語られがちだけど、結局は自分で自分に与えるものだから。こういう人はストレスフリー。

 

強靱に狂っている内面を、なんでこんなにさっぱりと書けるのかわからん!尊敬してしまう

 

恋愛中毒 (角川文庫)

恋愛中毒 (角川文庫)