深夜ファミレス記録

もう深夜にファミレスにも行かなくなってしまったけど、上野か新宿で夜中まで飲んだあとに勢いで書く日記。

コロナになり、アパホテル浅草駅前にて②

アパホテル浅草駅前までの往路はなんとお迎えのタクシー。この感覚はかつて専用ハイヤーを乗り回した短い栄光を思い出させた。

 

 

アパホテルに着くと、通常の入り口は封鎖され、警備員が目を光らせている。物々しい雰囲気だ。

タクシーは1台ずつゆっくりと招かれてゆく。おれの番がくる。運転手が謎の書類を見ながら、警備員におれの名前を告げる。

 

おれは降ろされ、裏口みたいなところから入場する。血圧を測らされ、茶封筒に貼られたカードキーを手掛かりに、7階の自室へ向かう。

 

 

地獄が始まったのだ。

 

 

26日14時過ぎ。自室着。

嫌な壁紙だ。

想像以上に狭い。というかよく見るとベッドがでけえ。

そのせいで、椅子に座った際には体育座りか?という程度に足を曲げないといけない。

このことは、頭にうっすらとあった「ちょっとしたワーケーション感覚」を見事に打ち砕いた。

 

 

またおれは「発熱しているタイプの入所者」となり、一日3回の健康状態入力が義務付けられる。

7時、16時、20時。館内アナウンスが鳴る。

そのたびに検温し、酸素濃度を測り、脈拍を測り、WEB上の問診票に記入する。

 

時間に遅れたり、記入内容に不明点があると、内線電話が鳴る。看護師さんがおれを心配してくれている。

凄いシステム。安心だ。弱り切っているおれはそう思った。

 

 

18時。最初の食事タイム。

合宿を思い出す。

同じフロアにある弁当配布部屋に行き、飲み物や食事を回収し、自室へ戻る。歩数にして、往復30歩程度だろうか。

 

そしてその食事とはこんな感じだ

栄養バランスも良いのではないか。わからないが。

めちゃくちゃ豪華。単純に喜んだ。

 

 

やることもなく、20時の検温などを終え、でかすぎるベッドで就寝。

 

 

 

 

27日。

7時になると、館内放送が鳴る。「検温の時間となりました……座って、体温を……」。

おれの起床は、生きるため、だとか、働くため、遊ぶため、、だとかではなく、検温するためのものになった。

 

この日までに提出したかった記事原稿があるので、体調不良と闘いながらなんとか入稿。途中意識失ったりした。

 

昼飯↓

相変わらず良い。

 

だが、この日夕方あたりでやっと気づく。

あまりに運動しなさ過ぎて、腹が減らない。リュックぱんぱんにお菓子を持ってきたが、食べたいとも思えない。

 

そして夕飯。

最悪のタイミングでチャーハンだ

これを完食した後、おれはなかなかのレベルの吐き気(前回とは逆に、花山のパンチをもろに食らった愚地克己のようだ)を覚えた。

 

これは罠だ。

やっと気づいた。

まったく運動していない体でこんなに食えるわけがない。だがチャーハンをお前は適量でセーブできるか。そういう試練だったのだろう。

 

おれはできなかった。

 

 

 

28日。

朝7時。検温のアナウンス。もはや何も感じない

 

朝飯。相変わらず量は多すぎるが、昨夜の敗北を経て、俺は「いかなる場合も完食しない」という判決を自らに下していた。

こうして人は成長し、文明を築いてきた。

多すぎる

ともあれ、徐々に体調も良くなっている。

 

今日から仕事も稼働復帰する予定だ。気合を入れつつシャワーを浴びる。

濡れた髪にヘアオイルをもみこむ。

香りがしない。

中学時代から愛用するジョンソンエンドジョンソンも手に取り、鼻に近づける。

なんの香りもしない。

 

 

食欲を失い、ついに嗅覚を失った。あわててカントリーマアムを食べる。味覚はまだあった。

 

「嗅覚障害って、こんなになんにも感じないんだな」というピュアなショックとの因果関係は不明だが、早くも少し体調が悪化。

 

午前からMTGや書類作成、各種電話メール対応などを行ったものの、一刻も早く眼を閉じて倒れこみたいような倦怠感があった。嗅覚は無いのに。

 

 

昼飯。

食事のことは思い出したくない(食べたくないから)ので、もう写真も割愛する。

 

午後。仕事。

 

ここで足に異変も起きる。しびれ。だるさ。むくみ。

脳裏に浮かぶ、エコノミークラス症候群。

 

まずい。血栓ができて死?

おれはここを出られないまま終了か。

 

 

そうはさせじと、試しにブルーノマーズの24K Magicのダンス(うろ覚え)を一度全力でやってみた。

少し足が軽くなった気がする。なにより、心が軽くなった。良い曲をありがとうブルーノ。

 

 

夕食。

ついには味覚も失われたらしい。

舌と鼻では何も感じない。だが、頬の裏の奥のほうみたいなところのどっかに、まだ生きているセンサーがあるようで、まったくの無味無臭でもない。

だがそれもいつまで保つかはわからない。

 

博士の愛した数式ってこういう感じだっけな、、と思った。

 

 

とにかくいい加減、密室生活に心が折れてきた。

 

そうだ、暴力だ。

 

仕事のあと妻に連絡を取り、プライムビデオのウォッチパーティ機能を初めて使い、ファイトクラブを見て己の暴力衝動を満足させ、今に至った。