すごく久しぶりにセックス・エデュケーションの世界に入った気がする。
だいぶ時間空いたもんね。
感想をメモっておきます。ネタバレありです。
元々この作品で好きなのはやっぱりアダム、そしてメイヴだった。群像劇において主人公を一番好きになるって結構難しいんだよね。
で、今シーズン。
一人ずつ思い出すのが良いと思うので順番に書く。
オーティス。
インスタで役者の普段を見ているとだいぶカッコイイ大人になっちゃってて大丈夫か?と思ったけど、そこは心配無用でしたね。
オーティスだった。
基本的に最終話前までだいぶ不満があった。オーに対する態度、あれはいくらなんでも無いでしょ。まああの街の規模をよく分かっていないのだけど、オーティスってそんなにセラピストとして名を馳せてたか?パクリの根拠が…。
ルビーとメイヴに対しても、エリックに対しても、もーちょっと相手の気持ち考えて行動できない?3シーズンも何してた?と思った。
でも最終話で一応オーに対する態度を自己批判できてたので、よかった。
エリック。
今シーズンの主役だったよね?
洗礼の件を丁寧に描き、ちゃんと「神」の啓示の通り、暗闇を輝かせた。かっこよかったなあ。ずっと最高です。
メイヴ。
相変わらず全力で生きていてかっこいい。尊敬している。そのメイヴが頼れる相手がオーティスでいいのか?と思っているが、今回はエイミーがかなり支えてくれたのでよかった。
とはいえ、やはり逆境がきつすぎる。クロスワードやってるときちょっと見ていられなかった。
でも、ジーンとの交流もあって、アメリカに戻って担当教員に「あなたには邪魔できない」と言ったメイヴ、本当に格好良かった。
アダム
寂しそうな顔をさせたら100点満点のアダムくん、裏主人公という感じの活躍。なんせ本筋に関係ないのにずっと尺割かれるんだから。
彼もすっかり成長したね…。まさか家族を彼が修復するほどになるとは。泣いた。
そしてここにもエリックの活躍があった。
ジャクソン
ヴィヴとのダブル進行的なエピソードだったけど、まずはジャクソン。アイデンティティを追って、期待と事実が違ったけど、ありのままを受け入れることを最も象徴した。レット・イット・ビーね。
エリックの見せ場とタイミング被ったので印象は薄かったのが気の毒。
棺担いでるときの幻覚やばすぎる。
ルビー、オー
ルビーがこの作品においてこんなに大切になるとは。メイヴがいないぶんのポジションをすっかりモノにしている感じ。
オーは、笑い方や発言、演出すべてが彼女へのヘイトを意図されていて可哀想だった。いや、普通におれも見ていてムカついたけど。
なんだか、この作品においてまで、アジアンを分かりやすい悪役に置くかなあとモヤッた。
もちろん彼女の成長と赦しも描かれたけど、ちょっと足りないというか、それまでもフェアに描いてほしかった。
ジーン
ジーンのエピソード、めっちゃ良かったです。産後鬱、仕事復帰、姉妹関係、息子不和…よくぞ最後にかっこいいジーンに戻れたなあ。
なかなかできないと思う。だからこそフィクションとして価値があるし、親しみのあるロールモデルだった。
エイミー
多様性の多様さが特に豊かなこのドラマにおいて、ストレートなウーマンエンパワメント部分を一人で牽引した。
表現したいものを見つけ、男に笑えと言われたくない、とノートに書くところ、シーズンで一番印象に残った。
ラストもシャウトで締めてくれた。
メイヴが心からエイミーを賢いと伝えるところも感動した。
賢さは思うよりもっと深いところにある。
キャラ別には一旦こんなところで。
なんといっても、シームレスすぎる群像劇がめちゃくちゃ面白い。
クィア、身体障害、性暴力、高齢出産、育児疲れ、キリスト教と同性愛、、と今回もトピックは盛りだくさんだけど、結局のところ、メイヴの手紙にあったように「解決ではなく繋がりを求めている」ことからブレないストーリーがとても良かった。
つまり、もっと互いを受け入れ、繫がり、許し、助け合えるだろう、という期待と願いを正面からぶつけてくれる作品と再認識した。
が、各キャラが立ってくれば立ってくるほど、本来のテーマはブレる。
オーティスがセックスセラピーを学校内で行う、という学園ドラマでは全く無い。オーティスに確たるドラマも残っておらず、舞台装置のようにすら感じる。
そこが残念でした。
次のシーズンあるんだっけ。まああるかな。役者の年齢が限界にならないうちにお願いします!
追記。
と思ったら完全フィナーレだったのですね。
するといよいよ、学生によるセラピーという切り口へのオチの無さが気になる。