デヴィッド・ボウイ映画「ムーンエイジ・デイドリーム」観てきた。つっても1週間前くらいだけど。
TOHO新宿のIMAXレーザー。ちょい高すぎる値段だが、ボウイをしっかり体験するためなら惜しくはない。
冒頭で映画の趣旨を知る。ドキュメンタリー映画ですらない。ボウイの過去のインタビュー発言、ライブ映像、PV映像を切り貼りして、独自のアニメーションCGもくわえた抽象的インスタレーション作品。
でありつつ、一応ちゃんとイギリス→アメリカ→ドイツと時系列。
とにかくファンのおれとしては卒倒するくらい素晴らしい2時間ちょいであった。だってボウイの肉声を聴きながら、大音量でボウイの曲聞けるんだもん。
1年前に見た『スターマン』はね、、、曲使用許可取れてなかったもんね、、、
個人的にはケインコスギの「TEKKEN」に匹敵するクソ映画だった、あれは。
今作で印象的だったことをいくつか。
おそらく前提として大事なのは、「これはボウイという人間のすべてを描き切っているわけではない」ということ。
あくまでも、デヴィッドボウイ財団が描きたいデヴィッドボウイ。つまり、過去の結婚も息子も出てこない。
地続きの話でいえば、露骨に?アルバムの好みを感じた。いや、ある程度均等ではあったんだけど、描き方として。
グラムロック期は孤高のスター。ファンは狂ったように陶酔する。
アメリカに行って、異文化人としての孤独。それでいてカルロスアルマ―はじめ新たな仲間との音楽制作は順調。
ドイツでイーノとのアンビエント傾倒。
そして、レッツダンス期。「明るく楽しいことを」と本人も言うが、世の中の反応は複雑だったわけで。それをまっすぐ描かず、ファンを軽薄なキャラクターに演出し、グラムロック期の陶酔ぶりと対比させる、ってのはちょっとずるいなーとおもった。
批判するならする、肯定するなら根拠を持つ。そういうボウイ解釈がちょっとほしかった、、
意外だったこと。オープニング、エンディングともに『スペースボーイ』がフィーチャーされていたこと。『ブラックスター』収録の曲と映像がそこそこ使われていたこと。これはどっちもうれしかった。
地味におれの好きな曲であるところの『サーズデイズ・チャイルド』も聞きたかったが、まあそれはね。
何よりうれしかったこと。かっちょいいTシャツを複数買えたこと。
ボウイはおれにとってこれまでもこれからも指針であり目標である。その生い立ちは以前の『デヴィッドボウイ・イズ』展示とその映画で充分堪能したので、今回みたいな「ファンがファンのために作った、にやにやしちゃうようなプレイリストであり象徴映像」も大歓迎です。
すごく満足した。
ヒーローズのライブ映像、かっこよかったなあ。