ジェン・ブイ感想を、池袋に着くまでの残り15分で書こうと思う。
ネタバレ有りです。
全体への感想としては、単体で見るとボーイズファン以外も楽しめる割と王道な学園ヒーローモノだなという感じ。
主人公たちが基本的に良い子たちで、明確に大人の陰謀があって。
ボーイズの構造は、DCやマーベルを下敷きにして、世間的にはヒーローなセブンに非能力者かつ暴力的なボーイズが立ち向かうという、ある種パロディありき、コンテクストありきな作品だった。
ジェン・ブイはX-MENを彷彿とさせる設定ではあるものの、それぞれに闇を抱える能力者たちが悩みながらも正義を貫こうとする、という点ではやっぱり王道。変に裏返してないから観やすかった。
ストーリーについて。
ヴォートの策略うんぬんは、どちらかというと今後のボーイズとのクロスオーバー要素な感じ。
作品内の敵は、あくまで学園内の陰謀でした。非能力者が能力者を恨むという、ボーイズの主役側の行動が、今作では普通に悪役の行動になる。という設計が面白かった。
マロリーは警戒していそうだったけど、ブッチャーがもしあのウイルスをセブン壊滅に使おうものなら、ジェン・ブイチームとは敵対しそうだ。
まあ普通に考えたら陰謀に立ち向かう側として順当に手を組みそうだけど。
で、物語としては、かなりサムが中心。その大切なパートナーとして、エマ。あるいは、陰謀を知っていた人間としてケイト。
これはこれで普通に面白かったけど、マリー、ドンマイ。
キャラについて。
マリー。
群像劇あるある(というより群像劇を観たときのおれあるある)だが、主人公の印象は薄め。
でも、黒人女性であることがしっかりネガティブに働いているので、やっぱ役割は大きかった。
ホームランダーが最後にマリーをすぐ撃ったのって、やっぱカラードだからかな。
両親殺しの件、妹の件など彼女の根幹はS2以降に温存された印象。
エマ。
冒頭、男性器にしがみつかされている性暴力あたりから、彼女の苦しみは描かれていた。
食べると大きくなり、吐いて小さくなる、というのはやっぱり精神由来の拒食なのかなと思った。最後に、泣いただけで小さくなっていたから。
サム、ルーク。
ルークが1話で死んだとき、このドラマに惹き込まれた。サムの精神描写はなかなかの重み。いないはずの人間の声が聞こえ、目の前の人間がパペットに見える。
つらすぎる現実を受け入れないように彼自身の防衛本能が働いているのかなと思った。何も感じないことを選んでしまったし。
ジョーダン。
ジョーダンリー、めちゃくちゃ好きだった。両性具有のキャラって初めて観た。男になれという家父長制の家庭とうまくいかなくなるし、でも彼自身、日頃は女の姿が多いのに、なにかを主張するときは男になる。
うまいキャラだなーと思ったし、魅力的だった。
能力は、普通に見てるだけじゃわかんなかったけど、めちゃくちゃ強いらしい。男のときは不滅の肉体、女のときはショックウェーブみたいなのを撃ててこれが相当強力。
ドラマ的にはそんなにストーリー割かれなかったので、今後の活躍とフォーカスにかなり期待している。
ケイト。
テレパス最強はX-MENで予習済み。パワーを抑えられていたことに気づき暴走するのもX-MENで予習済みでした。
アンドレ。
こいつなんか好きだったなー。かっこつけてるモテエリート。
磁力操作は最強かと思ったけど割と活躍もしょぼい。父親に逆らいきれない。小者だなー。
抱えてる闇も、ケイトとのこっそり浮気。ルークにも劣等感と優越感を併せ持っていたのでしょう。
闇、それかよ!
そんな感じ。
ああ、あとは、アシュリーが出ると嬉しくなるのはボーイズファンの総意でしょう。
ブッチャーとホームランダーの登場は普通にサプライズだったが、個人的にはMMやフレンチーあたりが裏で助けてくれてたみたいなのをちょっと期待していた。
なんか、S1から本編とクロスしているのはめちゃくちゃ盛り上がるし楽しみな反面、本編に食われないかちょっと心配だ。
ベター・コール・ソウルはブレイキング・バッド完結後、前日譚だから面白かった。同時にやっていたらどうなるか?
そういう目線で今後も楽しみたいと思った。